【原始人体験!?マイギリ式?ユミギリ式?自力で火起こし!作ろう竹筒ごはん!(前編)】
今回のワークでは「舞きり式」という方法で「火起こし」体験をしました。今回「火起こし」をやろうと思ったのは、これまでワークをする中で「火」が子どもたちにとってあまり身近ではないんだなぁと感じたからです。
私たちにとって1番「火」を身近に感じるのはどんなときか?それは調理でしょう。「食」は生活に欠かせないし、ほとんどの料理は火を使います。しかし、その調理ですら最近はIHの調理器、電子レンジ、電子ライターなどの普及により、火を使わなくなってきた。じゃあ、いつ?夏に花火するとき?時々するバーベキュー?思い浮かぶのはそんなものです。つまり、生活の中で子供たちが直接「火」に接する機会がどんどん減ってきているんです。
昔は「火」で調理をしていたし、薪を炊いてお風呂を沸かしていました(多くの家庭で、薪を炊いてお風呂を炊くのは子供の仕事だったそうです!)他にも、寒くなったら焚火をして、焼き芋を焼いたり、ごみを燃やしたり、、。生活の中で火を使い、火に接する機会がたくさんありました。しかし、今の子供たちにとっては「火」が身近でなくなり、それに伴って火について大人が子供に伝える場、教育する機会も減ってきたんだと思います。だからこそ、たくさん火と触れ合って欲しい。火の意味や価値、良さ、怖さを実際に感じて欲しい。そんな思いを持ちながらワークを行いました。
今回行った「舞切り式」の火起こしでは、摩擦を使ってその熱で火種を作ります。棒に通した紐を数回ねじって、ぶんぶんゴマと同じような要領で、木の棒を下におろします。タイミングがあってくると、段々と木の棒と板が速さを増しながら、こすり合わされます。子供たちもグループの友達と「腕が疲れてきた!一緒に押して!」と協働しながら、一生懸命に真っ赤な顔をして、火起こしをしていました。「がんばれ!」「あと少し!」という声も周りからあがっていました。しばらくすると、木の燃えた香ばしいにおいがしてきて、白い煙が出てきます。それが黄色い煙になると、「火種」ができた証拠です。火種ができたらそれをおが屑や新聞紙に包んで「ふぅ〜」と息を吹きかけます。すると、その火種が燃え移り、炎を上げて燃えだします。
「あ!そろそろ火種ができたんじゃない!?」そういって手を止めた後、なぜか子どもって何も考えずに「あ!焦げてる!」とか言って、1番熱い棒の先を触ったりします。そして当たり前ですが、火種ができるほど熱くなった先端を触って、「熱っ!」ってとびあがって、火傷をします。「痛いよー、なんか水ぶくれになっちゃった…。」って半べそをかきます。でもね、私はこういう体験や経験こそが本当に大事なことだって思うんです。火は触ったら熱い。やけどもする。水ぶくれにもなる。だから、危ないんだ。ということを子供自身が経験を通して体でわかることが1番大事なんじゃないかなって。
そして、もう1つ子供達に感じ、考えてほしいのは「元の姿」です。今、そこにあるものは当たり前じゃない。炎が出ない調理器で料理をする、箱の中で自然に食べ物があたたまる、ピッと押せば温水や温風がでてくる、そんな現代の生活をしている子どもたちにとって、そんな便利なものの「元」は何だったんだろう?って考えてほしいんです。「これがなかった時はどうしていたんだろう?」って。そう考えることが普段からできていれば、もしなくなったときに、その場になかったときに、ちゃんと考えて、応用できるからです。
今は便利な世の中です。ものもあふれています。労力がいらないように、危なくないように、色々なものはどんどん開発され、生活が楽に、安全になっています。それはそれでいいことです。苦労して、開発して、頑張ってくれた人がいるからその生活がある。だからこそ「火」だけではなく、「危ない」や「不便」「大変」から子どもを遠ざけてはいけない。なぜなら、その「危なさ」や「不便さ」「大変さ」に気付かない子供になってしまうからです。裏を返せばその「ありがたみ」にも、「すごさ」にも気づかない子供になってしまいます。
そして、大人は「危ないからやらせない」「もし、こんなことが起こったら大変だから経験させない」って言っちゃ、ダメなんです。だって、そのことを知らないまま、経験しないまま大きくなってしまったら「むしろ、それの方が危なくない?」って私は思います。大人が「危なくて大変な経験」にきちんと立ち会わないといけないんです。
子供なんて昔から「危ないからそっち行っちゃだめだよ!」って言われたら、むしろ真っ先にいきたくなっちゃう生き物です(私は少なくともそうでした!)近づいちゃいけないって言われた池に近づいて、落ちて全身ずぶぬれになったこともありました。「熱いから触っちゃダメ!」って言われたホットプレートに「本当に熱いのかな?」って思って思いっきり手のひらを「ジュー」ってやったこともありました。でも、そんな体験や経験が今の自分自身をつくっています。
子供のうちに、たくさんダメなこと、危ないことをやればいい!そして、たくさん小さい失敗をすればいい!たくさん、火傷だって傷だって作ればいい!って。その代わり、ちゃんと傍にいるから!そして、いざというときは絶対に助けるからね!って。それが本当の安心であり、教育じゃないかなって思います。
おっと、火起こしからだいぶ話が遠ざかりましたが、前編はこの辺で…。
この調子じゃ竹筒ごはんが炊けないな~(笑)
(後編へ続く・・・)
知りたい!やりたい!のタネをマナビノキに育てよう!
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