【チャンバラde探究!!仲間と共にいざ出陣!~お猿畠の乱~(前編)】
子供たちに大人気のチャンバラワーク!好きな理由を聞くと「家とか学校でやったら怒られるから~!」とのこと。「家や学校でなかなかできないことを思いっきりやらせてあげたい!」という思いもありますが、マナビノキの探究的なプログラムとしてはもう一歩踏み込みたいところです。子どもたちの大好きなチャンバラ…これを単なる戦いごっこで終わらせず、探究的な学びに、子供たちが何かに興味をもつ入口にできたらいいな…そう思いながらどんなワークショップにしようか考えました。
前回のチャンバラでは「戦国武将に興味を持ってもらいたい」と思い、それぞれの武将の鎧・甲に着目し、みんなで鎧や兜をつくりました。今回のチャンバラでは…「のぼり旗」に注目してみました。戦国時代の絵巻物をじーっとみていて、ふと「あれ、どの軍も背中に旗を指したり、陣地に旗をさしたりているな・・・この旗っていったい何だろう?」と私自身が調べたくなったからです。調べていくうちに、本来のぼり旗は敵味方が分かるような目印として用いられていたものが、段々と装飾的な役割になってきたことが分かりました。目立ちたい、強く見せたい、戦国武将たちのそんな思いから様々な旗ができていったそうです。(これは鎧兜の文化と同じ!)また、集団としての所属意識を強めたり、士気を強めたりする役目も果たしていたということがわかりました(これは、今の部活やチームの旗、学級の旗と同じような役割ですね。)そんなことが分かったので、今回は「のぼり旗」作りを子供達とやってみることにしました。
しかし、ただ「のぼり旗をつくりなさい!」ではつまらない。もう少しアカデミックな要素を取り入れたいところです。そこで「四字熟語を描いたのぼり旗」を作成することにしました。「のぼり旗には自軍の士気を高める役割がある」ということを子供たちが知った上でチームの仲間と共にそれぞれ「四字熟語」を選びました。
子供たちが選んだ四字熟語は「一致団結」「勇猛果敢」「一期一会」「精神一到」「全身全霊」です。「一期一会」に関しては「先生、このワークシートの中にのってない四字熟語使ってもいい?」と子供たちのたっての希望。理由を聞くと「今日、マナビノキで初めて会った仲間だけど、その仲間と力を合わせて戦うから!」だそうです。子供のこういう姿に触れた時に、いつもすごいなって思います。私が予想した四字熟語を超えられたな~ってね(笑)
その後は、各チーム黙々とのぼり旗づくり。まずは1人1文字下書きをして、それをチャコペーパーで布に写し取り、アクリル絵の具で塗りました。習っていない難しい漢字も必死に真似しながら書いている子。「1年生だから『一』にしな!」と簡単な字を小さい子に譲っているリーダー。黒で太くかっこよく塗ったり、それぞれの字の意味に合った色を選んだり、家紋を必死に考えたり・・・大きい子から小さい子まで協力してのぼり旗を仕上げる姿、まさに協働的な学びですね。
こういう子供達の姿を見ると「学び」ってやっぱり主体的じゃなきゃいけないなって思います。子供たちに「四字熟語ぐらい覚えなさい!」と言って、四字熟語一覧のプリントを渡したら、きっと多くの子は「え~、この漢字まだ学校で習ってないよ!」「読み方わからない。意味も分からないよ!」と言って顔をそむけるでしょう。それは「やりなさい!」って言われた受け身なことだからです。
でも、今回のように少し導入やきっかけ、環境を変えるだけで子供たちは、四字熟語に興味をもち、必死でその意味を読み取ろうとします。「この漢字習ってない!」なんて誰も言いません。むしろ「『勇猛果敢』の『敢』って他にどういう読み方があるの?どういう意味なの?」って興味をもって聞いてくるほどです。それは自分事だから。「やりたい!」「つくりたい!」主体的だからです。やっていることは同じなのに不思議ですよね。
新しいことを知ったり、新しいことを覚えたりすることは、とってもワクワクすること。本来、子供たちも大好きなはず。ちょっと入口を工夫したり、ちょんと背中を押してあげたり、一緒に手をつないで入るだけで、その先は子供たちは自分たちで考えて、勝手に前に歩んできます。だって学ぶことって楽しいことだから!
猿畠の竹林に入り、竹を切り、のぼり旗にさして完成!「腹は減っては戦はできぬ!」午後の合戦に向けて、お弁当を食べながら作戦を練っている子ども達!
さてさて、のぼり旗の出来栄えでは勝負がつかなかった前半戦。勝負は午後のチャンバラ合戦にもちこしそう!?(後編へ続く・・・)
知りたい!やりたい!のタネをマナビノキに育てよう!
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