【マナビノキャンプ  ~マイスプーン作り~】

今回のマナビノキャンプの探究テーマは「自分たちの生活を自分たちで創る」です。
ものが豊富にあり、恵まれた環境で育っている今の子供たちにとって、自分たちの身の回りのことのほとんどが誰かに「与えられる」「やってもらう」ことがベースになっているなぁと感じます。もちろん、戦後の日本ではないし、経済が発達し、それぞれの生活が豊かになることは悪いことではありません。ただ、私が危惧しているのは、そういった便利で豊かな社会の在り方ではなくて「そんな便利で豊かな社会の中で育っていく子どもたちは一体何を学び、どんな力をつけることができるのだろう?」ということを周りの大人が考えているか?ということです。逆をいえば豊かでたくさんの選択肢があるからこそ「どんな力をつけたいから、こんな環境づくりをしていきたい」と大人がこれまでよりも考え、取捨選択しながら選び与えていくことが大事であり、求められていると思います。
「与えられる」「やってもらう」に慣れてしまった子どもたちは「自分でどうにかしよう!」と必死に考えたり(主体性)、「~がないなら、その代わりに何が使えるかな?」「自分で工夫してつくってみよう!」とかって思ったり(思考力・想像力・創造力)そういった「力」が生活の中でどんどんつきにくくなっていきます。実際に自分の子供の頃と比べて今の子ども達って遊び方が偏っていたり、何か媒体(ゲームやスマホ)がないと時間を過ごせなかったり、それに見兼ねた?耐えられない?大人たちが結局何かを与えてしまうという行動やサイクルになってしまっているような気がします。
そんなことを考えながら、いつもマナビノキの体験活動を考えているのですが、今回のマナビノキャンプでも、子供たちが子どもたち自身で考え、創る場面を増やしていこうと企画をしました。
その1つが「マイスプーン作り」です。
「夕飯は、カレーライスをつくります。でも、今日はスプーンはもってきていません!だから、その渡した板の切れ端でスプーンをつくってみてください。使っていいのは、小刀・彫刻刀・紙やすりです。」そう言って、小さな板の切れ端と道具を渡しました。
子ども達っておもしろいんですよ?必ずこういう子がいます。「先生、もし、できなかったらどうするんですか?」って。そういうときは、笑って「うーん、できなかったら、手で食べるしかないね~。」と答えます。「え~!!大変!もらえないの?」「もらえないよ~、だからがんばって考えてつくりなさーい」ってね!
その後、子ども達は必死になって削りました。彫りました。だって、カレー食べられないかもしれないから!あんなに山登って頑張って歩いておなかもすいたのに、スプーンつくらないとカレー食べさせないなんてひどい!って思うでしょ?その「ひどいじゃん!」が実は子供を伸ばすということです(笑)わからなかったら考える、わからなかったら周りの友達のをこっそり見る、まねする、聞く。大学生やスタッフに手伝ってもらう、どういう方法でもいい。自分のできることをやりながら、自分で創るということに意味がある!私はそう思っています。
途中で彫り疲れて「これでいい!スプーンになった!」と言い始める子。「これですくえるから早くカレーつくりたい!」と言い出す子。形にこだわって、削ることが楽しくなってしまい、もはやカレーを食べることよりもスプーン作りに夢中になってしまう子。様々で、おもしろいでしょ!?
絶対にこの形にしなきゃいけない、このスプーンが正解の形、ここまでできないとダメ!そんなことはないんです。活動を「生活」につなげておけば、子どもたちは自分たちでまた気づきます。
「いただきます!」そういってカレーを食べ始めた時に「あ・・・口にスプーンが入らない!」「食べようとしたら、カレーが流れてくー!」なんてね。「先生!カレー食べ終わったら、また洗って、スプーン削ってもいいですか?」「もちろん!」
わたしはこの瞬間に心の中で「しめしめ」って思います。こうやって、自分で生活を工夫し、創っていく力をつけてほしい、その楽しさをわかってほしいってね!こういう小さな一歩から!
まだまだ続く
【マナビノキャンプ ~夕飯づくり・キャンドルナイト~ 】
知りたい!やりたい!のマナビノタネをマナビノキに育てよう!

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