【廃材で作るオリジナルtable&chair!(やっぱり後編の…前編!)】

思いや願いを形にする…。「大きなテーブルがあったら~したい!」という思いや願いを子どもたちはどうやって形にしていくのか。これは、「見えないもの」を「見えるもの」にするという作業になりまよね。
「見えるもの」と「見えないもの」。子どもたちと学ぶ中で、私がいつも感じることは、子どもたち(特に低学年)は「見えないもの」を子どもたち同士で共有化していることがよくあるということです。特に同じ体験、同じ活動、をしているとき、子どもたちはその「見えないもの」を発見し、「見えないもの」について語り合い、学び合いをしていることが実に多いということです。一方大人は、「見えるもの」を期待していて、「見えるもの」を共有化したがります。そして「見えるもの」で効果や成果を出したい。何を測りたいのか、何を比べたいのか、よくわからないけれど、とにかく「見えるもの」を求めます。
そうはいっても、子どもたちが今、何を考え、何に夢中で、何に困っていて、何をどうしたいのかわからないと、大人は学びをコーディネートもできません。そこで、必要になってくるのが、その「見えないもの」をどうにか見て見ようとする気持ちです。
あるイスを作っているグループに近づくと、線が引かれた板を一生懸命に切っていました。ところが、よくよく見ると、その線、幅がまちまちなんです。「どうして、この線広いのもあれば、せまいのもあるの?」と聞きました。すると、「これはね、おしりの大きさなの」っていうんです。「どういうこと?」と聞くと、板に一人ずつ座って、そこに線を引いたというのです。なるほど!ですよね?子どもたちなりにそれは意味のある大きさで、「自分たちの仲間の〇〇ちゃんが座る場所」なんです。
使うからこそ、実際に座って、実際に使って子どもたちは作っていました。肘置きをつくっていた子は、自分でその椅子に座り、肘の長さ、高さを調べながら、その場で板を打っていました。机の大きさを背の高さで比べているチームもあれば、足の長さで比べているチームもありました。あるチームは、できあがったあとに、1人座れないことに気が付き、もう1人分長くしなきゃ!といって、板を探して長くしていました。
なんていうか、とっても身体的なんですよね。頭で考える、計算する、測るとかではなく、思いや願いというのは、発想と共に一度やってみる、そこから話し合って、改善点を見つけて、またやってみる、ためしてみる、そうやって完成に近づけるという感じです。
トータルでゴールを設定し、それに向かって計画的に学んでいく学びもあります。1回1回きちんと見える形にして、それを足掛かりにして学ぶ学びもあります。でも、私は、こういった思いや願いをもち、身体的、直感的に形にしていくことこそ、子どもがそもそももっている本質的な「学び」なのではないかと思っています。
自分の身の回りにあって、自分の使えるものを使って、工夫して、わからなくなった友達と協力して、また考えて、今よりも少しでもいいものをつくっていきたい。
子どもたちはそうやって、日々多くのことを学んでいます。「見えないもの」を見ようとする大人、それを見えるものにして「すごいじゃん!そんな風に考えたんだね!」「なるほど!よく思いついたね!先生は思いつかなかったよ!」そう声をかけるだけで、子どもたちは、自分たちが学んだことに気付くんです!
「マナビノタネ」は見えないもの!「マナビノキ」は!?どうだろう。
「知りたい!やりたい!」のタネをマナビノキに育てよう

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