【廃材で作るオリジナルtable&chair!(前編)】
今回のワークは 中西 豪 (Go Nakanishi)さんとのコラボレーションワークショップでした。ワークの進め方ももちろんですが、「子どもたちに何を伝えたいか」「どんな力をつけていきたいか」「これから必要な教育のあり方」など、豪さんとたくさん話をしながらワークを企画、実行、ふりかえりができたことは、私にとっても学びが大きかったです。豪さんはじめ、子どもたちをサポートしてくれた大学生スタッフ、マナビノキスタッフのみなさん、ありがとうございました。
私が「学び」の中で大切にしているのは、学びのスタート「はじまり」です。それを「しりたい!やりたい!」のタネ=「マナビノタネ」と呼んでいます。学びというのは「やらなければいけないから」とか「知っておいた方が役に立つから」とかではなくて、自分が「やってみたい!知りたい!」って思ったところから始まるものなんだ、そこから始めよう!ということです。
今回のワークで、豪さんが子どもたちに、最初に投げかけた言葉は「ここに大きなテーブルがあったら何したい?」でした。「どんなテーブルをつくりたい?」ではなく、「テーブルがあったら何をしたい?」という問いです。「形」ではなく「思い」なんです。ゴールは「テーブルをつくる」ということではなく、「自分の~たい」を実現していくということなんです。子どもたちからは、「絵を描きたい!おやつを食べたい!お話したい!」など、たくさんの「~たい!」が返ってきました。これが学びのスタート!
「じゃあ、それができるテーブルをつくろう!」そう呼びかけると、子どもたちは、たくさんの廃材の山から自分の好きな大きさ、好きな形の板を思い思いに選びました。「みんなで顔を見合えるように丸いテーブルがいいな!」「くつろぎたいからこたつ型にする?」「寝転がれるテーブルがいいな~。」などなど、子どもたちは自分たちの「~たい!」の実現に向けて形をつくっていきます。
ここでのポイントは、「~たい!」を実現していくには「思いや願い」も大事ですが、それについての「知識や技能」も必要だということです。今回でいえば、テーブルを支える足の仕組み、グラグラしない、丈夫なテーブルをつくるための「知識や技能」です。そこで豪さんは「強い支えの作り方」「強い板の向きとは?」「強い形はこんな形!」などなど、子どもたちが体感できるように、教えてくれました。
私は、この「思い・願い」と「知識・技能」の両輪が、「学び」には必要だと思っています。「やりたい!」だけでは、どうすれば実現できるか分からず、子供たちつまずいてしまう。同様に「知識や技能」だけでは、いつ、どんなときに使うのか、使い方がわからずに終わってしまう。つまり「知りたい!やりたい!」と子供が思ったときに、それが必要となったときに「だったら、これを使ってみれば?」というタイミングで「知識・技能」を習得することが理想的なんだと思います。実際に子どもたちは作っていく過程の中で「グラグラする・・・安定しない・・・」という壁に当たったときに「板の向き変えてみる?」「三角の形いれてみよう!」と活用していました。
知識や技能を習得し活用していくことが、自分の「やりたい!」の中にある・・・その仕組み?組み立て?プロセス?によって、子どもたちは「学ぶ」ことの意味や楽しさ、できるようになった、使えるようになった自分の良さに気付きます。そして、これからもそうやって学んでいこう、学びをスタートさせよう、わからなかったら使える知識や技能を探そう、そうやって学び方を学んでいくと考えています。
なんだか少し難しい話をしてしまいましたが、ようはキットのようなものを与えられて「これを作りなさい!線に沿って上手に切りなさい、はみ出さないように釘をうちなさい、きれいなテーブルをつくりなさい!」というのは、違うなぁって思います。
好きな板をもっていって、友達と「あーだ、こーだ」いいながら好きな形をつくっていく、子どもたちの楽しそうで、それでいて真剣で、キラキラした顔!いつまでも続く集中力!「やりたい!」「もっと!もっと!」があふれた空間!それこそ、「学び」が生まれる、「学ぶ」ことを楽しんでる!姿ですね!
そんな風につくり進めたテーブル・・・どんな形になっていくのか?
続きは後編で・・・
知りたい!やりたい!のタネをマナビノキに育てよう
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