【マナビノキ×糀屋sawvih 糀のひみつを探ろう!みんなでみそづくりに挑戦!】(後編)

今回は「糀」について探究。
みなさん「こうじ」というと「麹」と「糀」の漢字どっちを思い浮かべますか?子どもたちのからも「『麹』と『糀』ってどう違うの?」という質問が出たので、こうじさんに教えてもらいました。
「2つの漢字をよーくみてごらん!何か気付かない?」とこ言われ、じっと黒板に書かれた字を見ると、、「あ!!わかった!『麹』は麦からできていて、『糀』はお米からできているんだ!」「おっ!近い!『麹』は中国から来た漢字で、麦などの穀物を蒸して作るという意味で大昔からある漢字。『糀』は実は日本で作られた字で、お米に花が咲くように生える様子から生まれた新しい漢字なんだよ」と教えてもらいました。
 味噌、しょうゆ、酒など、日本の食文化と深くかかわっている「コウジカビ」は、日本の菌「国菌」にも認められているそうです。また、糀は日本で昔から食べられていることもあって、日本人の体質にとても合っているそうです。また、菌の中でも1番強く、糀の酵素を体に多く取り入れると、風邪もひきにくいし、インフルエンザにもかかりにくい丈夫な体になるんだよ!と教えてもらいました。「なんか、菌って今までばい菌みたいなイメージがあったけど、いい菌もいるんだねぇ…」とびっくりしていた子も。確かに子供たちにとって「菌」というのは、生活の中ではマイナスイメージなのかもしれないですね。でも、その分「なんで?」とか「どうして?」が生まれやすくなるもの事実です。
 このように「探究的な学習」のきっかけとなる「課題設定」は多くの場合、この「ギャップ」との出会いが大切です。
 例えば、今回の「糀」の探究学習を組み立てるときに、まずは「菌」というイメージについて、イメージマップでも何でもいいから書き出してもらうんです。「『菌』という言葉を真ん中に書いて、そこからイメージするものを周りに書いてごらん?」なんて言うと、子ども達「ウイルス」「ばい菌」「風邪などうつりやすい」「おなかの菌」などなど、悪いイメージの言葉をたくさん書くと思います。
それを確認して「ニヤリ」とするんです。「みんなの体調を悪くしたり、おなかを痛くしたり、ものすごい感染力で広がっていったりする『菌』だけど、、、実はみんなの体調を整えたり、病気を治してくれる『菌』もいるんだよ!」って。すると「えーーー!」ってなります。「食べられる菌もあるんだよ!」って。この辺りで「あ、わかった!乳酸菌とか?」と反応してくる子もいると思いますが、多くの子は、この「菌=悪いもの」と「菌=いいもの」のギャップに「なんで?」と思うわけです。
 じゃあ、それぞれ疑問に思うことを書いてごらん。というと、「体にいい菌はどんな菌だろう?」「体に悪い菌と体にいい菌の違いはなんだろう?」とか「私たちの体の中で『菌』はどのような役割を果たしているのだろう?」とか課題が出てきます。それが課題設定。このように探究型学習は始まっていきます。
 今回のワークでは、そこまで掘り下げませんでしたが、「糀」と「麹」の違い、日本の伝統的な食文化、さらに現在の食生活にもよく使われていて子どもたちにとって身近な存在である、など、様々な点からこの「糀」という学習対象は総合的な学習の時間に扱ってもおもしろい題材だなぁと思います。(プラン立ててみたいな)
 
 そんな「不思議」や「すごい」がたくさんつまった「糀」。大豆に麹菌をくっつけて、その麹菌の発酵する力によって味噌ができるということを教えてもらい、いよいよみそ作り!
「ほら、これが『糀』だよ。さわったり食べたりしてごらん!」とこうじさんに言われ、みんな手でこねこねしたり、口にしたり…。「なんか、おだんごみたいに固まる!」「でも、すぐにぽろっとくずれる!」「なんかさつまいもに似た味がする!」「ちょっと甘い!」など五感でたっぷり堪能した子どもたち。その後は、つぶしてもらった大豆と塩と糀をよーくまぜてそれぞれパッキング。「半年後、きっとおいしい味噌になってるね!」「カビとか生えないかなぁ?」「麹菌は強いんだよ!だから表面にカビが生えたとしても、中は大丈夫!それに、この味噌は麹菌が普通の2倍入っているからね!」蓋をして「ふういん!」と書いていた子もいました。
 なんか、一人ずつ自分の味噌をパックするって、そこに自分のワクワクした気持ちも閉じ込めるみたいでいいなぁ…って思っていたら、こうじさんが子供たちにおもしろいことを言ったんです。「半年後、みんなでせーので開けたら、味比べをしてごらん。ひとりひとり違った味になってるはず!」「え?なんで?みんなで一緒につくったのに!?」「そう!同じように作って同じいれものに入れても、1つ1つ違う味、違う味噌になるんだよ!」「へぇ~!!そうなんだ!楽しみ!!」
 子どもたちの思いを閉じ込めた味噌がそれぞれ違う味になるように、たくさんの人の思いや願いを込めて育てた子どもたちもまた、色々な味の大人になっていくんだろうなぁ…。
 味噌と子ども一緒にするなって!?うーん、でも、味噌も人間も、成熟すればこそ味わいが増すよね、、
手間暇かけて育てるのか‥‥はたまた、直射日光の当たらないところに放置しているうちに…(笑)
 


知りたい!やりたい!のタネをマナビノキに育てよう。

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