【マナビノキ×糀屋sawvih 糀のひみつを探ろう!みんなでみそづくりに挑戦!】

マナビノキスクールの子供たちがよく遊ぶ竹林の手前にあるとっても素敵な糀カフェ「sawvhi」。今回は、そんな糀カフェを経営している寺坂さんをゲストティーチャーにお招きして、ワークショップを開催しました。「糀屋のこうじです!本当の名前は違うけど、こうじの方が覚えやすいから、糀屋のこうじで覚えてね!」とユニークな自己紹介をしてくれた寺坂さん。子どもたちも「こうじさん!」とすぐに馴染んだようす。和気あいあいとした雰囲気で授業がスタートします!
 
こうじさんが、まず子どもたちに聞いたのは「みんな、お味噌汁に何入れる?」です。子ども達も早速「豆腐!もやし!ねぎ!にんじん!しじみ!あさり!大根!わかめ!サトイモ!空心菜!たまねぎ!さつまいも!・・・」と元気よく答えます。すると続いて「普段はお味噌汁に入れないけど、これ入れたらどうかなぁ…って思うものはある?」という問い。はじめは戸惑いながらも「えーっと…チーズとか!?」と答えると「おぉ!意外とおいしいかもね~」とこうじさんに言われ、ちょっと嬉しそうな顔。再びみんな堰をきったように「はんぺん!さしみ!ヨーグルト!ブロッコリー!バナナ!トマト!きゅうり!ミンティア?」「えー!?それはまずいでしょ!」とかいいながら、たくさんの食材を挙げました。気付けば、黒板はたくさんの食材で埋め尽くされています。「じゃあさ、みんなこれとこれを合わせたらおいしそうって思うものはある?」と聞かれ、「ベーコンとほうれんそう?」「リゾットみたい!」「チーズとはんぺん!」「あるね、あるね!」「味噌とトマト!」「えー!」「でも、きゅうりを味噌に付けて食べるとおいしいじゃん!」「そっかぁ」っとあっという間に大盛り上がり。初めて会った子たちが1つのテーブルを囲んでこんな風に楽しそうに話せる空間っていいなって思います。

するとこうじさん。ニコッとして「ぼくは今言ってくれたの全部いいと思うよ!」と言いました。「みんな『食』っていうのは、どれがいいとか悪いとかない、つまり正解はない!味もそう。一人一人が選べるものだし、その人にとって『おいしいな!』って感じるなら、それがその人の好みなんだよ」と教えてくれました。
 
「正解がない」これは、これからの「学び」にとても大事な感覚です。なぜなら、これまでの教育は「正解を出すためにどうすればいいのか?」「その『解』にいかに効率よく、速く辿りつくにはどうすればいいのか?」に重点が置かれていたけれど、これからの教育は「正解とは何か?」を考えなければならないからです。ま、手っ取り早く言うと、その答えは「正解はない」です。もうちょっと丁寧にいうと、その都度「正解は違う」とかその都度自分にとっての「正解」が変化していくとかそんな感じかな?とにかくある1つ「解」に向かう学びではなく、「この場合はどうだろう?」「あの場合はどうだろう?」「もしこうなったらどうすればいいんだろう?」と自分なりの筋道を立てて、その先の「解」らしきものを見出したり、その「解」について検証したり、さらにはもっといい「解」はないのかな?って考えたり、そういう思考力が大事になってきます。そう思うと、私たち教育者もこれまでは「これを抑えていれば大丈夫!」とか「これさえできるようになれば安心!」というようなマニュアル的なものがあったけれど、これから先は子供たちと共に、社会の変化に合わせて教育のスタイルも変化させなければならなんですよね。その子にあった教育。大人にとっては想像もつかないような突拍子もない考えがすごく本質的で正解に近かったり、自分よりもより柔らかい頭と感性で考える子どもたちの思考力をどう組み合わせてよりよいものを創っていくか…みたいなことが重要になってくると思います。
 
こうじさんの「『食』に正解はないんだよ!」の言葉を聞いて、衣・食・住どれをとっても、そもそも人の「生活」や「くらし」に正解なんてないし、仮に「生活」や「くらし」に「正解」やそれに近い形があるとしたらと、逆にみんながそれに向かっていく感じがして、それは違うよなぁ…とか考えてしまいました。
 
さて、その黒板にたくさん書かれた食材のいくつかを〇で囲み始めたこうじさん。「これもそうだなぁ。」といいながら、〇をつける様子をじっと見ていた子ども達!「あ、わかった!野菜?」「いや、魚にもついてるよ」「う~ん」と悩みます。こうやって、「何だろう?」って考える時間って大事。特に「推測する」っていうのは大事な思考力。「なんとなくわかる気が…」そう言って、その子がつぶやいたのは「生きているもの?」という答え。みんなが「えー!?」といって、みると確かに〇がついているのは野菜や果物、魚、そして納豆やみそ、ぬか漬けチーズといった発酵食品。
 
そこで、こうじさんが「もっとも」というようにうなずきながら黒板に書いたのは「酵素」という二文字。続いて「酵素は人間が生きていくために必要なものなんですよ」と教えてくれました。息をしたり、身体を動かしているのもこの『酵素』のおかげなんですよ。今〇をつけたのは、酵素がある食品です。」と説明してくれました。
 
その後は、酵素というのは「消化酵素」と「代謝酵素」があるということ。「みんなの唾液の中にはアミラーゼという消化酵素が含まれていて、お米などのデンプンをブドウ糖にしてくれるんだよ」また「代謝酵素は、風邪をひきにくくしたり、病気を治したり、代謝をよくしたりする力もあるんだよ」など子供たちにわかりやすく説明してくれました。「生野菜や果物、発酵食品にはそんな『酵素』がたくさん含まれていて、それを摂取すると、みんなが元気になったり、健康になったり、元気いっぱいに過ごせるようになるんだ」ということがわかったようです。
 
「酵素」「消化」「代謝」「アミラーゼ」など、言葉だけで聞くと難しい気もしますが、子どもたちは興味津々に話を聞いていました。なぜか、それは「理科」という教科でもなく、テストに出るから覚えなきゃいけないってことでもなく、自分が元気に、健康に生きていく上で知っておくといいことだと思うからですよね。
 
「食」について学ぶと、生きることダイレクトにつながっているからこそ、「学ぶ」って「生きる」ってことだなぁって実感する場面がたくさんあるなぁと思います。
 
酵素をたくさん含む発酵食品…じゃあ、発酵食品ってなんだろう?酵素と発酵ってどういう関係?
1つ知ったら、次のことが知りたくなるよね!
 


「知りたい!やりたい!」のタネをマナビノキに育てよう!
 
後編に続く…

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