【マナビノキ 寒くなってきたので…ペール缶でミニロケットストーブを作って手作りパンを焼こう!(前編)】

最近、もっぱらお気に入りの田浦。前回はまだ台風の爪痕が残る登山道でしたが、今回はススキのふわふわの穂が風になびき、すっかり秋を思わせる道中でした。秋の山を感じ、秋の風を感じながら、子どもたちとなんでもないような話をして山を登っている瞬間が自分の中で1番幸せな時間だなぁ!って思います。
星と一緒で、周りが明るいと何も見えないんだけど、実はそこにあるものってたくさんありますよね。音だってそう。日々の生活の中だとほとんどが人が発している音です。車の音、通りの音、人の声、テレビの音・・・ぜーんぶなくなったら聞こえてくるのが、鳥の声、虫の声、風の音、水の音・・・。
もちろん、そんな山の中でそんな音ばかり聞いていても暮らしていけないっていうのは当たり前なんだけど、そこに見えないものや聞こえないものがあるんだってことを知ることと、たまには、そういうものを見に聞きにいく時間をつくるっていうことは大事なことだなぁって思います。
 
さて、今回のワークは「ロケットストーブ」づくり。最近急に寒くなってきて、実は我が家でも「どうやって暖をとろうかなぁ…」というのは、切実な悩みです。身体にもよくて、環境にもよくて、あったかいストーブってないかなぁ?・・・って調べていたら、見つけたのが、このロケットストーブ。
まだまだ現代の住宅でストーブとして実用化するには防火安全面、吸排気などに課題がありますが、実用化されれば、石油やガスなど化石燃料も使わないし、電気も使わない。地球環境の保護、自然エネルギーである木質バイオマスの利用推進にもなる、とってもこれから期待できるエコストーブです。
そんな最先端のストーブを匂わせましたが、実はロケットストーブは、実は昔から家屋の土間などで煮炊きに使われてきた「かまど」を原型とした暖房器具です。薪や木片など、身近にある燃料だけで、非常に高温になるため、暖を取るだけでなくその熱を利用して料理もできます。ガソリンスタンドでもらえる大きな缶などで作ると、800℃ぐらいまで高い温度が出せるそうですが、今回は、その原理を知るということで、子どもたちとはミニロケットストーブを作りました。
 
ロケットストーブの原理について…1つ目は上昇気流です。温度の差があるときに、冷たい空気が温かい空気の下に潜り込むことによって、空気の流れができることですね。そして2つ目はドラフト現象。煙突や筒状にすることで、突風のように空気が吸い込まれる現象が起こるということです。少し言葉は難しいですが「ロケットストーブってなに?はやくつくりたい!!どうやってつくるの?」と思っている子たちは、結構興味深い話みたいでした。「火事の時に、外とつながる扉を開けたら冷たい空気が一気に入り込んで、大爆発が起きるんだよ!」なんて話をすると「えー!そうなの!知らなかったー!」って。
 
原理を学んだあとは、作成開始。材料は、業務用サイズのトマト缶とフレキシブルダクトを使いました。(家庭用の400gトマト缶を2こでもOK)。缶に穴をあけるという作業が意外と難しいんですよね。「まずはキリで円に沿って小さい穴をあけて・・・それを後でニッパでつなげるよ」と説明すると「えー!大変そう!めんどくさい!」なんて声も返ってきます。最近の子供はあまりにも便利さに囲まれて、「楽」をしすぎだから、めんどくさいことたくさんやればいい!って思いますけどね(笑)そこからは、みんな無言で穴をひたすらあけていました。
最後円を一周した時には「やったー!やっと終わった!」って声をあげたり、、さらにニッパで穴と穴をつなげて丸く繰りぬけたときには、もうロケットストーブができあがったぐらいの喜びようで「やっと、穴があいたよー!」って。
苦労するし、めんどくさいから、嬉しいんだけどね…たかが缶に穴をあけるって話だけど、こういう作業が大事なんだろうなぁって思います。
さらにそこにダクトを通すんですが、またそれがすんなりいかないわけです。なぜかって?金属の切り口がガタガタだからです。「どこがひっかかってる?」「ここか!」なんていいながら、ペンチで缶を広げてダクトを通します。L字型にして煙突状にしたら、とりあえず外観は完成!あとは断熱材の代わりにパームライトを周りに敷き詰めます。「熱が逃げないようにしなきゃ!」って丁寧にアルミテープで隙間を埋めていた子も・・・(この子のロケットストーブがあとから大変なことになっちゃいましたが・・・)
ひとりひとり、自分のロケットストーブをつくったら、いよいよお昼のパンの仕込み!時間の差はあったものの、どうにか、それぞれ自分の缶を繰りぬいてロケットストーブができたようです。
後編へ続く・・・
 
知りたい!やりたい!のタネをマナビノキに育てよう!

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