【マナビノキ×井上蒲鉾店 姿を変える食品シリーズ・魚が変身!?さつま揚げづくりにチャレンジ!】(後編)

いよいよ待ちに待ったさつま揚げづくり!
まず職人さんの実演です。工場長さん自らが、蒲鉾づくりを披露してくださいました。
「つけ包丁」を手に、魚のすり身をすくうと、見事な手さばきで、木の板にスーッとすり身をつけていきます。何度も何度もつけていくうちに、段々と見覚えのある蒲鉾の形に!最後にはみ出ている周りの部分をきれいにならして…あっと言う間に蒲鉾のできあがり!思わず子供たちも息をのんでみとれてしまいました。
「さぁ、この蒲鉾と同じすり身を使ってみんなにはさつま揚げをつくってもらいます」の声に「やったー!」「わー!いいの!?」と大喜びの子供たち。さっそく「つけ包丁」をもつと、梅のお花の形やハートの形の型にすり身をつけます。「こうやってお野菜などの具やチーズを入れてもいいよ」と教えてもらうと、パラパラと材料を入れ、もう一度形を整えます。2枚組の板の1つを外すと、「ポン」と見事に繰りぬかれた、さつま揚げの元ができあがり!
「こっちにもっていらっしゃい!揚げてあげるよ!」と牧田さんが子供たち、1人1人がつくったさつま揚げを1つずつ揚げてくれました。こんがりキツネ色に揚がった、揚げたてのさつま揚げを紙に包んで、大事そうに席に着く子友だち。「熱いかな?もう食べられるかな?熱いよね!?食べていいよね?」と言いながら、紙をめくって恐る恐るさつま揚げにかぶりつくと…「熱っ!…おいひい!」「もちもちしてる!こんなさつま揚げ食べたの初めて!」とあーっという間に平らげてしまいました。「2こ目も作っていい?」「ぼくも!」「わたしも!」とそれぞれ、1回目よりも2回目、2回目よりも3回目と手際よくさつま揚げをつくることができました。揚げたてのおいしさもそうなんですが、多くの子たちが「普通のさつま揚げよりもプリプリしてる!!」「噛んだ時の弾力が違うよね!」と言うんです。私も食べてみましたが、確かに!!食感が違う!「これが、本当に魚のたんぱく質だけなの?」とびっくりしてしまいました。
 よく「体験学習が大事!」「子どもたちに体験活動をさせたい!」という教師や保護者が多いですが、私は決して、この体験学習や活動「ありき」ではないと思うんです。今回の井上蒲鉾店のワークショップをやるに当たって、牧田代表ともたくさん話をしました。「どうしてさつま揚げづくりをしたいのか」「なぜ、うちなのか」「さつま揚げづくりを通して子どもたちに何を伝えたいのか」・・・。
 まずは、マナビノキをつくった経緯からお話しました。鎌倉には、海や山など豊かな自然、寺社仏閣などの歴史、それと共にある人々の生活や文化など、多くの魅力的な「学習材」に恵まれているということ。そんな魅力いっぱいの土地で子供たちと学びたいと思い「マナビノキ」をつくったということ。自然、歴史、文化などの「学習材」が、生きた「学習材」となるために、実際にその1つ1つの「材」を通して子どもたち実践し、学びとして記録を残していきたいんだ!という気持ち。また、井上蒲鉾店は、鎌倉で古くからあるお店で、蒲鉾へのこだわりを守り続けているお店だということ。魚から蒲鉾まで職人の手でつくる「ポリシー」、周りが変化しようとも、大切なものは一切変えずに守り抜く「プライド」など、職人としての「思い」をぜひ子どもたちに生の声で伝えてほしいとお願いしました。
つまり「さつま揚げづくり」という体験活動を支えているのは、そうした学びを創っていきたいという私の思いであり、その思いを受けて、ならばこういうことを子供に伝えたいと思う牧田代表の思いだということです。つまり「体験・活動」をすることが、それ自体が子供たちにいい学びを提供するのではなく、それだけの「体験・活動」にいきつくための教師や指導者の「思い」が子供たちに伝わったときに、それが「いい学び」になるということです。その違いがわかってくれれば、「体験活動ありきではない」という意味が分かるはず!
 牧田代表も、与えられる学び、詰め込まれることは学びではない。「学びたい」という気持ちが1番大事で、自分から不思議だなと思って調べたり、足を運んだり、体験したりするからこそ、学びになる、私もそういう調べ学習が大好きでしたよ!とおっしゃっていました。
 様々なお店、個人、企業と共に学びをつくるマナビノキ×〇〇のコラボワークショップ。1つずつ1つずつ。足を運び話をしながら、創っていきたいな。それが自分のマナビノタネだから!
知りたい!やりたい!のタネをマナビノキに育てよう!

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