姿を変える食品シリーズ②牛乳が変身!冷蔵庫がなくてもできる!?アイスクリームづくりにチャレンジ!】(中編)

午後は、アイスクリームづくりに挑戦です。午前中の学習で「アイスクリームは牛乳に砂糖と生クリームを加えて0℃より低い温度でかき混ぜて固める」とできるということを知った子ども達。
ふと気づくんです。「ねぇ、先生、どうやったら0℃より低い温度になるの?」って。アイス作りのワークの2つめの探究テーマは「冷凍庫を使わずに、どうすれば身近なものをつかって0℃以下にすることができるか?」です。
探究し続ける子に育てるには、日常から「問い」と「問い」をつなぐ「くせ」をつけることが大事です。例えば3年生の算数の割りざんで「15このりんごをを3人でわけたら1人何こになりますか?」という問題があったとします。大体の子は「先生!わかった!15÷3=5 答え5人」「正解!」ってなりますよね。でもその答えを出したことに満足していては、「問い」は止まってしまいます。例えば「先生はわり算するときに九九を思い出せっていうけど、九九にないやつはどうなるんだろう?」「もし4人いたらりんごはどうやってわけるんだろう?3個と半分ちょっととかになるの?」とか自分で問いをつないでいく「くせ」をつけるんです。この「くせ」、実は教師主導、大人主導で学んでいる子にはなかなかつきにくい「くせ」です。典型的なのが「ねぇ、次は何をやったらいい?」ってすぐに聞く子供っていますよね?これは「これをやりなさい!」「それが終わったこれをやりなさい!」って指示されて動く「くせ」がついてしまっているんです。だから、もし「次何やったらいい?」って聞かれたら、一緒に周りを見て「何をやったらいいと思う?」と問い返してあげてください。そして子供が考えてそれに答えたら、それに対して「それもいいけど、こっちもいいんじゃない?でも、どっちを先にするから自分で決めていいよ」って、ちゃんと最後は選択権を子どもたちに返してあげる。そういう日々のちょっとした会話から、自ら「問い」をみつけたり、「問い」つなぐことができる子供になっていきます。
今回であれば「アイスは牛乳に砂糖と生クリームを入れて0℃以下でまぜる」という状況と、「0℃以下になるような冷凍庫がない」という状況は出会えば、ちゃんと子供たちは気付きます。「アイスはやくつくりたいな1」「あれ?どうやってアイスつくるの?冷凍庫ないじゃん!」って。そこで初めて「氷」と「塩」を出すと「え!?それで冷凍庫できるの?」ってなるんです。最初から「氷」と「塩」を出してきて、「さぁ、これでアイス作るよー」ってやっちゃだめ!つねに「どうやるんだろう?」「なんで?」って考えさせる、しかけ、環境づくり、学び作りを大人はしていかないといけないっていうことです。
とはいえ、「氷に塩をかけると0℃以下に下がる現象」=『凝固点降下』について、理解を深めるのはちょっと中学年、低学年の子供たちには難しいなと感じたので、今回は、「物は溶けるときに、『溶けなくない!』と思って、周りからパワーをもらおうとする、その時に周りの温度が下げる性質があるよ」という話だけしました。氷と塩を入れたジップロックの袋を渡し、「このジップロックの中で、溶けようとしているものが2つあるんだけど、何かわかる?」と聞きました。しばらく袋を見ていた子ども達、「あ!氷が水になって溶けてきてる!」と気づきました。「そう!それが1つ目!もう!つあるよ?」というと、またしばらく見ていた子ども達…。「あ!わかった!塩が水に溶けようとしている!」「そう!正解!」つまり、「氷が溶ける」「塩が水にとける」という2つの「溶ける」がこのジップロックの中にはある!だから、「溶けたくない!」って思って必死に周りの温度を下げようとして0℃以下になるんだよ!と説明しました。分子レベルの話はできないので、これがかみ砕いて話す限界かな!?
ま、自分が子どもだったら何だかこの説明じゃ納得いかなくて、家に帰ってから「凝固点降下」について調べてみようって思うだろうけど…。そして家中の氷と塩を使って怒られる…みたいな!?(笑)
たかが、アイスづくり、されどアイスづくりでしょ!?
って、早くアイスつくりなさいよ!って話だよね?
…後編へ続く

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