【マナビノキ×鎌倉彫資料館 伝統de探究 職人さんに学ぶ!100年保証!?「鎌倉彫」に挑戦!!(後編②)】

  さて、職人さんの実演を見て、学芸員さんの解説を聞きながら、再度鎌倉彫の資料館の見学を終えた子供達。いよいよ実際の鎌倉彫に挑戦です!
今回は15cmの正方形のコースター作りに挑戦しました。最初に線で描かれた鳥の図柄を見ると「え?これだけ?簡単すぎるよ!‪2時‬間もかからないよ!」なんて言っている子も、、。
鎌倉彫を始める前に、まずは彫り方の説明を受けます。今回使うのは木版刀(切り出し)というタイプの彫刻刀。カッターナイフの小さな刃のような彫刻刀です。鎌倉彫は彫る時に「往路」「復路」とあって、板に対して45度に刃を当てて往路を彫った後、反対側からまた板に対して45度に刃を当てて復路を彫っていきます。そうして彫られた部分はV字型になります。薬研彫(やげんぼり)という彫り方だそうです。
説明を聞きながら「彫りたい!彫りたい!」とうずうずしていた子供達ですが、彫刻刀を手にいざ彫り始めると、第一声が「かたっ!」「何これ!彫れない!」と驚いた様子!
そうなんです!さっきの実演ではあんなに自由自在に彫っていた職人さんを見ていたので、簡単だと思っていたのでしょう、、しかし、自分たちがやってみると、なかなかうまくいかないわけです。「全然簡単じゃなかったー」「時間通りに終わるかなぁ、、」と急に心配し出す子も、、子どもって素直だなぁ(笑)
   実は、私、このギャップに子供達を出会わせることが大事だなっていつも思ってます。特に最近の子供達って知識が優先しがち。テレビ、ネット、スマホはもちろん、絵本ですら鳥の写真をタッチしたら鳴き声がする、QRコードを読み取らせたら立体に見える、なんて本もたくさんありますよね?もちろん興味を持ってたくさん知識を吸収することも大事ですが、それで知った気、わかった気、できた気になるのは怖いなぁって思います。
科学技術の発展により本物に近いバーチャル体験ができる現代社会で育つ子ども達、、、私たち大人はそれがバーチャルだってわかって体験したり、その精巧さ、リアルさに感動したりすることも多いでしょう。でも、子供達はどうでしょうか。本物を知る前に、よりリアルなものに触れてしまったら、それを本物だと思ってしまうのも仕方がない気がします。
でもね、それは子供達が悪いわけじゃない。今の子供達にとってそれが当たり前の生活だとすれば、その生活の中で、子供達自身が気づけるようにならなきゃいけない、どんなにリアルに近づいてもそれがリアルじゃないってことに。そして周りの大人は、子供達自身が感じ、気づけるように、バーチャルとリアルと両方与えながら、学ばせていくこと、その必要があるなって思います。
職人さんの実演とバーチャル体験の話は少しそれてしまったけど、そうやって職人さんが「シュッシュ」と軽やかに彫ってみせてくれて「簡単そうじゃん!」って思ったことが、実際に自分でやって見て「うまくいかない!」って感じ、気づくことが大事だって話。それは本物を知ることにもなるし、同時に「すごいなぁ」「あんな風になってみたいなぁ」って言う職人さんへの尊敬や憧れにも繋がると思います。
「なかなか彫れない!かたい!」って大騒ぎしていた子供達も、しばらくすると黙々と彫り始めました。最初はなかなか力の入れ方がわからずに、彫り進められなかった子も少しずつコツを掴んで彫れるようになってきました。あっという間の‪2時‬間。最後はみんなコースターの裏に自分の名前やイニシャルを彫って、マイコースター完成!同じ絵柄だけど、それぞれ彫った子の苦労や工夫が、彫った線に現れた味のある1枚1枚のコースターになりました。
「こんなに難しいと思わなかったけど、頑張って彫って完成したから嬉しい!」何人もの子が振り返りに書いていたことがとても印象的でした。
あんなに軽やかに彫っていた職人さんだって、当たり前だけど、昔はみんなと同じ子供。きっと何かのきっかけで「鎌倉彫の職人になりたい!」って思って、何千回、何万回って彫りながら、修行を積んで、今の姿があるんだろうなぁって。それは、この前のお豆腐屋さんの手を見た時も感じたこと。
目の前の可能性をたくさん秘めた子供たちと、今を一生懸命にたくましく生きる「ステキな大人」をつなぐ、そんな架け橋の役目をこれからもマナビノキで、できたらなって思います。
知りたい!やりたい!のタネをマナビノキに育てよう!

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