【マナビノキ×鎌倉彫資料館 伝統de探究 職人さんに学ぶ!100年保証!?「鎌倉彫」に挑戦!!(中編)】

今回のマナビノキワークショップでは、鎌倉の「歴史・文化・人」をテーマに鎌倉の伝統工芸品「鎌倉彫」を探究しました。
 「伝統工芸品ってなんだろう?鎌倉彫ってなんだろう?」と興味をもった子ども達。まずは自分たちで資料館の中の「鎌倉彫」の作品にじっくりと向き合います。自分の好きな作品、気になる作品を探すうちに「これは何に使っていたものなのかなぁ…」「昔の人はどんな暮らしをしていたのかなぁ…」「どうやって彫るのかな…」「なんで木なのに、赤い色しているんだろうなぁ…」と、たくさんの「?」が生まれきます。そうやって子どもたちの心の中に「むくむく」っと興味や好奇心のタネが芽を出してくるんです。
「どうして?」「知りたい!」と思ったときに、実際に目の前で職人さんが、鎌倉彫を彫りながら説明してくれる…このタイミング、出会いが大事なんですよね。「職人さんに実際に、彫るところを見せてもらおう!」と声をかけると、子どもたちは「見たい!」と言って、身を乗り出し、一気に引き込まれていきました。
  鎌倉彫の職人さん、今回は資料館の前館長さんが直々に子どもたちに実演を見せて下さいました。「じゃあ、そうだなぁ、ここを彫ってみようか…」そういって、何本もある彫刻刀の中からすっと1つの彫刻刀を選ぶと、板に刃の先をあてて「シュッシュッ」と彫り進めていきます。その様子は大人でも思わず息をのんで見入ってしまうほど。手元に注目していると、あっという間に、影ができあがり、椿の葉っぱが浮かび上がってくる…その様子は圧巻でした。そんな職人さん、ふと顔をあげたかと思うと、突然、大きな1本の木を抱えてきたんです。「これ、何の木か知ってる?」って。その木には横に何本もの削られたような線があります。その削られた線は、少し色が濃くなっていて、それが十数本続くと、また、少し間があいて、削られた線が十数本ついているんです。それを見ながら子どもも大人もしばらく考えました。「なんだろう?この木は?なんだろう?この線は?」って。すると、「これはね、漆の木だよ」「漆というのは、こうやって木の表面に傷をつけて出てきた樹液を集めるんだよ」と説明してくれました。
探究活動を進める中で、子どもたちがグッと中に入ってきたぞ!(興味、関心、好奇心をもっているぞ!)って感じる瞬間があります。「いつ?どうやってわかるの?」と言われると、感覚でしかないのですが、具体的身体表現で言うと「身を乗り出す」「顔をつきだす」「目を光らせる」「息をのむ」そういった行動です。「こういった子どもの姿を引き出したい!」と思い、普段から授業創りやプログラム作りをしているのですが、なかなか「浴びる」だけでは、この姿は引き出せません。「浴びる」=「受け身」ということです。机につき、座りさえすれば学びがはじまる!そんなのは学びじゃないんです。ただ、浴びているだけ。もちろん浴びないよりは浴びたほうがいいかもしれないけど…自分から身を乗り出して「知りたい!やりたい!」って思う、そのグッと中に入ってきた瞬間に、探究は子供たちの熱量?パワー?で、一気に進んでいきます。
この職人さんが木を運んできて説明してくれた瞬間。目の前で自分たちが使ったことないような彫刻刀を使って静かに淡々と掘り進める様子を見た瞬間。この瞬間に「グッと入ってきた!」という子どもの姿が見られました。身を乗り出し、顔をつきだし、目を光らせ、息をのむ子ども達…。
「そろそろ仕上げに入ろうか…」そう一言、今まで使っていた彫刻刀を置き、違う彫刻刀を手に取り、お盆をぐっと手元に引き寄せ、静かに彫り始めた職人さん。教室の中にたくさんの人がいるはずなのに「シュッシュッシュ」と木を削る小さな音が響く、この瞬間。あんなにいつもは騒がしい子供たちが息をひそめて見つめている瞬間。
「そう!!これこれ!!」
さっき出たばっかりの興味や好奇心の芽がぐんぐんと生長していく感じ!!
(子どもたちがだんだんと身を乗り出していく様子!わかるかな??)
後編へ続く…
知りたい!やりたい!のタネをマナビノキに育てよう!

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