【マナビノキ×鎌倉彫資料館 伝統de探究 職人さんに学ぶ!100年保証!?「鎌倉彫」に挑戦!!(前編)】

今回のマナビノキワークショップでは、鎌倉の「歴史・文化・人」をテーマに鎌倉の伝統工芸品「鎌倉彫」を探究しました。
ところで子供に「ねぇ、伝統工芸品ってなに?」と聞かれてすぐに説明できますか?私なんて「う~ん、そうだなぁ…箱根でいうと寄せ木細工みたいなものだから…その土地で昔から有名なものかな〜?」と言うようにしか答えられないような…(笑)でも!探究学習をするときには「大人は子供の半歩前を行く!」でOK!私自身、伝統工芸品について調べてみました。
伝統工芸品には3つの条件がありました。①普段の生活の中で使うもの②作り方(技術・技法)が100年以上引き継がれている歴史的なもの③国の決められた審査を通ったものといということでした。全国では230の伝統工芸品があり、そのうち「鎌倉彫」「箱根寄木細工」「小田原漆器」の3つが神奈川県で指定されているそうです(ほら!寄せ木細工あったでしょ!?/笑)
この3つの条件の中で、私が「1番いいな!」と思ったのは①の「普段の生活の中で使うもの」です。子供たちにとって一番身近なのは自分たちの生活です。特にマナビノキは低学年、中学年の子供たちが多く参加しています。彼らにとって自分たちが普段見聞きしているもの、触れているもののほとんどは家庭にあるもの、学校にあるもの、おじいちゃんやおばあちゃんの家にあるもの…そんなところでしょう。今回目にする「鎌倉彫」は、その時代の生活に使われていたもの。それを見ながら、その自分たちの生活の周りにあるものと「比べる」という視点が、子供達の「しりたい!やりたい!」のワクワクとつながっていきます。
いよいよ見学の始まりです。その前に「これが全国の伝統工芸品だよ!」と言って地図と写真をみせると「あ!これ見たことある!」「おばあちゃんちにある!」「これもある!?」なんて早速興味をもっている様子。「その中の1つが、今から見る『鎌倉彫』だよ!神奈川の中に3つしかないうちの1つがこんな近くで見られるなんてすごいよね!」と言うと、「はやく見たい!」とワクワクの気持ちが高まっていきました。
荷物を置いて、資料館の方に挨拶をして、いよいよ見学開始!ここで「ポイント」となるのが、さっきの「普段の生活で使われていたもの」という条件です。「伝統工芸品の条件って何だっけ?」と聞くと、子供たちは3つともすぐに答えます(こういうところ、子供ってすごい!)「そう!今から見るものは、全部生活の中で使われていたものということ!何に使っていたものなのか、もし今ないものだったら、昔は何の代わりだったのか。見たことないものだったらどうやって使っていたのか考えながら、見学してごらん!」と声をかけました。
「思考力」の基礎となる思考スキルがいくつかあるのですが、生活科や総合的な学習の時間では「比較する・ 分類する・関連づける・構造化する・多面的にみる・評価する」などがあげられます。私が子どもたちと授業をしていて、1番わかりやすく、つかいやすいのは「比較」と「分類」です。幼児教育などでもはじめにでてくるのが「くらべてごらん!」と「なかまにわけてごらん?」だと思います。ものの見方の学習なので、それを何度も繰り返すうちに、子供たちは自然と比較したり、分類したりしながらものごとをとらえるくせがついていくのです。
今回もただ「見学してきなさい!」と言えば、子供たちは一回りして「見終わったよ~、次何すればいい?」って絶対に言ってきます(笑)でも、「~を考えながら」「~をみつけながら」と視点を与えると比較したり分類したりしながら、じっくりと見学をしてきます。同じ体験活動をしても、そういうちょっとした一言でぐっと学びは深まるから不思議ですね。だからこそ、教室の中でも外でも、子供と創り出す学びにおいて、先生のちょっとした一言、ちょっとした仕草、表情って大事なんだよな…。
さて、グループごとに見学開始!耳をすませていると…「あ、これタンス?」「これは何だろう?筆箱かな?」「ちがうよ硯入れって書いてあるよ」「硯って習字につかうやつ?」「そうそう、昔は筆で書いてたからでしょ?」「じゃあ、昔の筆箱ってことかぁ…」なんて話してます。考えて、比べて、対話して…そうやって、学びを深めていくんですよね…。
見学をしながら、ふと立ち止まり、何やらメモをしたり絵を描いたり…。自分の「感性」と向き合う時間。
学びに、正解や答えはない。何を感じ、どう考えるか、そして何を思い、何をしたいか…。子どもたちはちゃんと考えている。
だからこそ、大人は決めつけたり、これが正しいとか、こうするべきだ!とかではなく、子供たち一人ひとりから、その「感性」を感じ取れる「感性」を磨くことが大事なんだなぁ…。
後編へ続く…

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