【マナビノキ　ＪＡＸＡの先生と一緒にロケットが飛ぶ仕組みについて考えよう！作って飛ばそうマイペットボトルロケット！（前編）】

  今回のゲストティーチャーＪＡＸＡの職員の山下さんも、子どもたちに宇宙を少しでも身近に感じてほしい。「大人になったら宇宙に行ってみたいな！」とか「地球って重力があるんだぁ、すごいなぁ！」ってワクワクを膨らませるワークショップになればと、一緒に企画してくれました。

　確かに私自身「ロケット」とか「宇宙」っていうキーワードを聞くと「なんかすごいこと！」という漠然とした憧れはあるものの「ロケットに乗って宇宙に行ってみたい」とか「ロケットを自分で作ってみたい」というような具体的な「～たい！」をもったことないな…って思います。映画の中や、遠い未来のようなできごとで、どこかの国の一部のすごい科学研究者の人たちがやっていることなんだろうなぁ…って思っていたので、子ども達は、少しでも宇宙を身近に感じてくれるといいなぁ…。

　そんなことを考えながら山を登っていると、あっという間に田浦の里に到着。広いグリーンの芝生と青空の元、みんなでロケットについて知る、考えることからスタートしました。「私は実際のロケットの打ち上げは数回しか見たことないんですけど…いつもは自分が作った人工衛星が宇宙にいく様子をモニターでみているんです！」と話し始めた山下さん。その第一声で「え！？本物のロケットの打ち上げ見たことあるの？すごい！！」「えー！！人工衛星つくっているの！？すごい！！」と、とにかく子供たちの目が一瞬にしてキラキラになりました。ロケットの大きさ、長さ、速さ、エンジンの場所など、図鑑やネットで調べることもできるけど、やっぱり実際にその仕事に関わっている人から直接話を聞くっていうことが、どれだけ子供の心をぐっとつかみ、惹きつけるのか、改めて実感しました。

…「ロケットは秒速１０ｋｍで、高度８０ｋｍぐらいまで一気に上昇したあと、第１エンジンで２００ｋｍ、さらには第2エンジンでさらに目的地まで上昇します…」なんて難しい話も、「え！？じゃあ、１０数えている間に１００ｋｍぐらいいくのか…」「そのころは、もう宇宙だね！」「そんなに近いの！？」なんて山下さんとのやり取りを通して、子供たちがどんどんのめりこんでいきます。「ロケットってそもそも何をするものなんだろう？」という問いにも「探査機や人工衛星を運んでいるんだよ！」「気象衛星！？」「あーＧＰＳ！？」「宇宙からみてたんだ！」「どこに積んでいるかということ、ロケットのこの先端の部分だよ！」「あとは、どんどん捨てて身軽になっていくから…」「え！？どんどんバラバラになるの！！」「どこにいっちゃうの？」「燃えるかなぁ…あとは海に落ちるとか…」「え！！？」と、ここに会話の記録は書ききれないけれど、子供たちの「え！？」「それで！？」「どうなるの！？」「すごい！！」が何度も出てきたこと、それが立ち消えることなく、次の問い、次の問いにつながっていたことは確かです。

　新しい学習指導要領では「主体的・対話的で深い学び」といって、子供たちが「知りたい！やってみたい！」ってまずは思うこと、それが他者や事象、時には自分自身と「対話」することによって深まっていったとき、それは「深い学び」になる…そう「学び」が定義されています。まさに今回のロケットワークの山下さんと子供たちのやりとり、導入場面がそれにあたるんじゃないかなと思いました。

「えー！！すごい！！」「それで？どうなるの？」と驚きや興味関心にキラキラした目をしている子ども達。それと同じぐらい、ロケットについてキラキラした目で語ってくれる山下さん。そんな両者の「対話」によって、ロケットに対する知識が深まる様子はまさに「深い学び」につながるものだと思います。

そんなロケットについての話はつきなかったんだけど「そろそろどうやって飛ぶかの実験をしよう！」ということになり、登場したのはなんと「風船」。「え！？風船でロケットの発射する仕組みがわかるの！？」「体感あるのみ！」と子ども達１人１人、風船をふくらまし、青空へと放ちました。「ひゅるひゅるひゅる～」としぼみながら、小さくなっていく風船。くるくると旋回しながら、飛んでいきます。「わぁ～飛んだよ！」「結構はやいね！」「なんか、こうやって上に飛ばすとロケットみたい！」と子供たちは大喜びの中…。「やっぱりバランスが悪いんだよなぁ…」とつぶやく山下さん。

さて、まっすぐ打ちあがるロケットの飛ぶ仕組み、この風船の飛ぶ姿にヒントがあるようですね…。

今回もロケットづくりまでの道のりは長そうです…飛ぶのはいつなのか…

（前編②へ続く…）